
1972年6月、スウェーデンのストックホルムにおいて開催された「国際人間環境会議」以来自然界の生態系を守る為に、野生動植物を保護する事の必要性が広く世界中で認識されるようになりました。
上記の趣旨を条約として実現したのが「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」です。
日本でも「ワシントン条約」に1980年に批准され、同年11月4日より発効しています。貴重な資源を守りつつ、許容される範囲で有効に利用するという野生動植物の保護と、活用の調和を計ることは最も重要な事です。
我が国では「全日本爬虫類皮革産業協同組合」(JRA)という公認団体があり、ワシントン条約に則った正規の素材のみを輸入しています。
また正規に輸入された爬虫類の素材によって製作された商品には、JRAのタグを付ける事になっています。JRAのタグは、製品が国産品である事と素材が正規輸入された事を表示しています。当社はJRAの登録会員No159です。

爬虫類皮革の代表的なものがワニ革です。現在世界中に生息しているワニは3科9属23種です。アリゲーター科は4属7種、クロコダイル科は4属15種、ガビアル科は1属1種からなります。その中で生息数等の関係により、皮革として取引が行われているのは、次の種類のワニたちです。
イリエワニ:スモールクロコ Saltwater Crocodile
学名…Crocodylus porosus
ワニ革の代表格です。通称シンガポールクロコとも呼ばれています。首から肛門にかけて鱗の数が約31〜35列あります。生息地は、パプアニューギニア・オーストラリア・インドネシアなどの入江や海水と淡水が混ざる川付近です。しかし現在では生産量のほとんどは養殖です。
ニューギニアワニ:ラージクロコ Freshwater Crocodile
学名 Crocodylus novaeguineae
スモールタイプ(イリエワニ)に次ぐ価値付けがされています。腹部の鱗の数は約24〜32列あり、スモールクロコよりも鱗が大きいです。パプアニューギニアやインドネシアなどの淡水の沼や川に生息しています。皮のほとんどは野生のもので捕獲量が規制されているものの、産出国の地域住民にとっては食料と貴重な収入源となっています。
ナイルワニ:ナイルクロコ Nile Crocodile
学名…Crocodylus niloticus
イリエワニ・ニューギニアワニと同様に高級品の素材として注目を得ています。腹部の鱗の部分に硬い骨が一列あり、また鱗は角張っています。アフリカ諸国の淡水の沼や川に生息しています。現在はほとんどが養殖で、特にジンバブエや南アフリカ共和国では大規模に養殖されています。
シャムワニ:シャムワニ Simese Crocodile
学名 Crocodylus siamensis
ポピュラーなワニ革のひとつです。腹部の鱗は細かく長方形をしています。横腹には一列の硬い骨があります。タイ・ミャンマー・マレーシアなどの沼地や川に生息していますが、現在商取り引きされている皮は全て養殖によってほとんどタイから輸出されています。
ミシシッピ―ワニ:アリゲーター American Alligator
学名 Alligator mississppiensis
クロコダイルに比べて全体に胴が長く、腹部の鱗が長方形をしています。アメリカ合衆国南部のルイジアナ州やフロリダ州などの沼や川に生息しています。養殖事業も大規模に行われていますが、野生のものも一年に一度数量を定めて捕獲しています。
その他にカイマン(バビラス)等のワニも皮革として取り引きされています。しかし皮全体に骨質部が多く硬いために、上記のワニよりも安価な商品として製品化されています。南米の北部や中米の沼や川に広く生息しています。ベネズエラやコロンビア等が原産国です。
参考文献:「エキゾチックスキンの基礎知識」
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